1973年。たった二人で立ち上げた小さな整備工場からスタートしました。
(株)ジャストオートリーシング常務取締役 営業本部長
平野順二様に色々お話をお伺いさせて頂きました。
1973年。川崎市高津区新作にて寿自動車工業株式会社設立。
1994年。現在の株式会社ジャストオートリーシングに社名変更
横浜市港北区(現 都筑区)に本社及び工場を建設しました。
カーリース開始当時は建設関係の車両が多かったそうですが
今日ではあらゆる商用車/乗用車が入庫しております。
フルメンテナンスのカーリースの一番のメリットはやはり
点検整備により常にお車がベストな状態に保たれている事です。
竹薮を切り開いた5〜60坪ほどの小さな整備工場が始まり
当社の創業は1973年です。創業社長の勤めていた会社が行き詰まり、同じ会社にいた仲間とたった二名で、川崎市高津区新作の竹薮を切り開いて作った5〜60坪の小さな整備工場が始まりでした。全くお客様ゼロからのスタートでしたが、3〜4年目にして何とか整備工場として安定した収入が得られるようになりました。でも軌道に乗ると常に次のステップをと考えるのが創業者の性分でして、当時「ただの整備工場ではダメだ」と思い悩んでいたようです。「中古車屋をやろうか」「保険の代理店は」「ディーラーは?」そんな悶々とした日々を送っていた折、ほどなく転機が訪れました。お客様であったある大手企業が会社の車を全てリースに切り替える事になり、当時当社の整備力を買って下さっていた役員車の運転手の方が、そのリース車両の整備をウチでという話をして下さり、指定整備工場として当社を申請して下さいました。
車はもう所有の時代じゃない、使用価値を追求する時代だ。
しかし残念ながらこの話は、相手が大手のリース会社だった事もあり、ウチのような「わずか5〜60坪の整備工場」ではダメだという判断になりました。しかしこの運転手さんが「ならばお宅で同じ車を購入すればいい、そしてウチに同じ金額でリース提供すればいいじゃないか」というお話をいただきました。これが当社がフルメンテナンスオートリースを始める大きなきっかけとなりました。とはいえ、当時はまだまだ「車は所有するもの」という時代。世の中の経営者の方も「たくさんの車を財産として所有する事」がある意味ステータスだと思われている時代でした。しかし車というものは資産計上して保険料を払って車検を通してと、現場の事務処理の方はその管理に非常に苦労されている。もちろんメンテナンスもしなければならない。実は会社にとって「車を所有する事」のメリットというものはあまりないんです。しかしながらこの点を理解してもらうには非常に厳しい時代でした。そういう意味では先見の明のある創業者でした。その当時、創業者からよく聞いた言葉は「車はもう所有する時代じゃない、使用価値を追求する時代だ」というものでした。
建設関係のお客様から次第に広がっていきました
まずはじめにフルメンテナンスオートリースのメリットを感じて下さったのは建設関係の企業でした。この業界には繁忙期というものがあってその時期だけダンプカーをレンタカーで借りていたりします。しかも結構どんぶり勘定で借りているため、使わないのに三ヶ月も四ヶ月も借りっ放しという会社さんも多く、結局レンタカー代と当社の一年間のリース料とがほとんど変わらなかったりする。なおかつ車両管理もずさんで、車検切れに気付かずそのまま走っていたり、いざ使おうという時に煽が無くなっていたりとか。ですから、まずはそういう現実を車置き場で経営者の方と一緒に見させていただき「当社のフルメンテナンスリースにすれば何時でも使用できるよう管理しますよ」とご説明差し上げる。そうすると多くの経営者の方々はそのメリットを理解して下さいました。あえて車を所有して資産計上して、なおかつメンテナンスの手間が増えてしまうより、全てそういったものはウチに任せて月々損金処理した方がはるかに楽なんです。やがて、そうした理解も広まり多くの紹介をいただきました。また当時はまだまだこうしたフルメンテナンスを行うカーリースの競合相手は無く、おかげ様で契約台数も順調に伸び、それにともない整備工場の規模も拡大していきました。
金融系ではない整備を主軸とした独立系オートリース/そして未来にむけて
かつて全国各地にあった整備独立系オートリース会社で作った「5社連絡会」が存在しましたが、今日では当社だけになってしまいました。
ずらりと並んだ巡回メンテナンスサービスカー
県内はほぼ全て網羅。依頼があればすぐにとんでいきます。
おかげ様で当社も創業40周年を迎える事ができました。
社員一同、これからもお客様の経営合理化、効率化のお役に立てるよう一丸となって頑張ってまいりますので宜しくお願い致します。
当社のような独立系オートリースはめずらしい
小さなオートリース会社は、お客様を増やして契約台数をあるところまで伸ばしていくと必ず「資金調達」の問題で行き詰まります。つまりある一定台数以上になってくるとお金が続かなくなってくるんです。この「壁」をほとんどの会社が突き破れない。ですからみんな大手に吸収されていってしまう。幸い当社は早くから「リース債権担保」のスキームを確立できた。まずこの事が今でも独立系のオートリースを続けられていられる最大要因です。そもそも金融系の大手オートリースはスケールメリットでの収益を目指します。つまり金利的な考え方です。我々の収益の軸は整備です。車検・メンテナンスからタイヤ・オイル交換等お車のトータルサービスのご提供です。そしてこうしたトータルメンテナンスを通してお客様とのより深いつながりを構築することを目指しています。「本業はリース、整備は外注」というスタイルでは決してこうした関係は生まれません。
巡回メンテナンスサービスカー
お客様のお車に関する全てをトータルにサポートする。そういう当社の営業理念の展開例として「巡回メンテナンスサービスカー」があります。このサービスカーは様々なメンテナンス設備を備えており、例えばオイル交換などは直接お客様のもとに出向いてその場で行っています。お客様からわざわざお車を持ち込んでいただく必要はありません。こうした強いサービス体制によりお客様にオートリース+アルファの部分の付加価値をご提供する。価格競争ではない本当に喜ばれるサービスをご提供をしていく事が当社の目指すところです。
そして未来に向けて(電気自動車開発プロジェクトへの協力)
我々の今後の課題として「車のハイブリット・EV化」に向けてどう取り組んでいくかというものがあります。今後ますますハイブリット・EV化が進む事は間違いありません。先日行われた世界的耐久レースでハイブリッド車が優勝するという結果が象徴的でしたが、私個人の意見としても、近い将来、自動車=内燃機という時代は終わるのではないかと思っています。
実は一年半ほど前から、ある電気自動車開発プロジェクトに当社から人を送り込んでいます。ご協力出来る部分は最後のボディー仕上げの板金塗装ぐらいですが、それよりまず「こうした技術の最先端の現場のしっぽでもいいからしがみつけ」という事、肌で感じてこいという意味です。要するに、もうかれこれ100年近く内燃機専門でやってきた整備士の遺伝子に変革を起こす事が必要なんです。これからは電気が扱えない整備士は整備士でなくなってしまうぞ、という意識変革が今必要とされているのです。
この開発プロジェクトも第三次開発に入り、もう既にバスなどでは実用可能な段階まで来ています。公的交通機関でこの技術が採用された時に「ではどこで整備を」という話になれば、その時には胸を張って手を挙げたいと思っています。
当社は今期で創業40周年になります。会社というものは長く続いていく中で必ずどこかで変革期を迎えます。私は今こそ社員一同、大きな意識をもって変革せねばならない時であると考えております。